ものづくり補助金につなぎ融資は必要なのでしょうか?
無駄な融資は受けたくないけれど、資金が不足する事態は避けたいものですよね。
今回はものづくり補助金とつなぎ融資の関係や、つなぎ融資が受けやすい金融機関等を紹介いたします。
ぜひ、ものづくり補助金申請前にご一読ください。
CONTENTS
結論から申しますと、ものづくり補助金に申請するなら、つなぎ融資を受けることをおすすめします。
つなぎ融資が不要なケースももちろんありますが、下記のような理由から多くの場合でつなぎ融資が必要になるためです。
ものづくり補助金をはじめとした各種補助金は、原則「後払い」です。
補助金申請時に計画する補助事業が完了した後に、かかった経費を清算する形がとられるのです。
ということは、物品購入時は全額を自社で負担しなければなりません。
「補助金が入金されるまで支払いは待って」というのも通用しません。
なぜなら領収書がないと、補助金の対象にならないためです。
一旦全額を自社資金で支払い、その後補助金が入金される、という流れですので、物品購入費用の全額を賄えるだけの資金が一時的に必要になります。
つなぎ融資があれば、自社内で資金が用意できなくても物品を購入できます。
ものづくり補助金は、投資資金の全額を受け取れる制度ではありません。
2023年1月(14次締切分)における、ものづくり補助金の補助率と補助上限額は下記のとおりです。
補助率 | ½ 小規模企業者・小規模事業者、再生事業者は⅔ |
補助上限額 | 従業員数により100万円〜1250万円 |
たとえば、150万円の設備投資を行い補助率が2/3だった場合、
受け取れる補助金は
150万円×2/3=100万円
となります。100万円が後から振り込まれますが、残りの50万円は補助されません。
また、ものづくり補助金の対象とならない経費に関しては、当然ながら補助金は受け取れません。
たとえば不動産購入費用や車両関連費用はものづくり補助金の対象外です。
車の購入費・修理費・車検費用に関しても補助金を1円も受け取れません。どうぞご注意ください。
このように、ものづくり補助金は事業経費の全額を補助してくれる制度ではありません。
そのため実施する事業内容次第ではまとまった自社資金が必要になることもあるでしょう。
つなぎ融資を受けておけば、新事業が軌道に乗るまでの資金繰りで悩まずにすみます。
賢くつなぎ融資を利用して、新事業に注力してください。
ものづくり補助金の申請は「公募受付期間中に書類を集めて電子申請」を行います。
事業計画書の作成だけでも時間がかかりますが、その他の作業でも相当な時間を費やすことが予想されます。
ここでは、何をどの順で行動すべきか紹介いたします。
ものづくり補助金は年中受け付けているわけではありません。
年数回の公募時期に合わせて申請することになりますので、最新の公募時期を確認しておきましょう。
2023年1月現在の最新情報では下記の予定となっています。
令和5年3月24日(金) 17時に申請受付開始 ▶ 令和5年4月19日(水) 17時に申請受付締め切り |
締め切りに1日でも間に合わなければ受け付けてもらえませんので、しっかりと確認しておきましょう。
ものづくり補助金の申請を決めたら、真っ先に取り組んでほしいのが「電子申請の準備」です。
2023年1月現在において、ものづくり補助金は電子申請一択です。
GビズIDというアカウントを取得して、Jグランツという補助金申請専用のサイトにアクセスし、ネット上で申請手続きを行います。
このとき必要となるGビズIDは、発行までに「約2週間」かかるため、早めの取得をおすすめします。
GビズIDの取得方法は以下のとおりです。
ものづくり補助金の申請に必要となるのは「GビズIDプライム」です。お間違えのないようにご注意ください。
次に申請書類を整えましょう。主に下記の書類が必要です。
その他、加点要因になる書類等を追加で提出することもあります。
詳細は最新の公募要領でお確かめください。
ものづくり補助金は申請した全員が受け取れるものではありません。
またつなぎ融資を実際に受ける場合は、採択の通知が届いた後になるでしょう。
採択後に資金繰りで焦らないように、つなぎ融資の申し込みができる金融機関を押さえておきましょう。
ものづくり補助金に申請することを前もって金融機関に相談していた場合、圧倒的につなぎ融資が受けやすくなります。
申請前に金融機関に相談していたなら、ぜひその金融機関に採択された旨を伝えてつなぎ融資を受けましょう。
メインバンクもつなぎ融資が受けやすい金融機関です。
信頼関係ができあがっていることや、これまでの業績を把握してくれていること等がその理由。
比較的早くスムーズに、融資が受けられます。
日本政策金融公庫でもつなぎ融資が受けられます。
日本政策金融公庫からの融資は低金利で比較的借りやすいことが特徴です。
ただしつなぎ融資の審査通過までには若干のタイムラグが生じます。「今すぐ融資が必要」なら他の手段も検討しましょう。
便利なつなぎ融資ですが、融資を受ける際にはいくつかの注意点があります。
設備投資資金等からつなぎ融資の必要額を算出しますが、可能であれば最低額よりも少し多めに借りておきましょう。
新事業を始めるにあたって、予想どおりに軌道に乗るとは限りません。
しっかりと利益を出せるようになるまで時間がかかるかもしれませんから、保険として少し多めに借りておくことをおすすめします。
直近が赤字決算であったり、借入金の未納や滞納があると、通常の融資と同様に融資審査は通過しにくくなります。
融資を実施する金融機関にとって最大の関心ごとは「貸したお金を返してくれるかどうか」ですから、返済されない可能性が高い企業には融資を渋ることもあるのです。
補助金に採択されたら必ずつなぎ融資が受けられるというわけではないことを、心に留めておいてください。
ものづくり補助金の申請前に、つなぎ融資を受けたい金融機関に相談しておくと後々非常にスムーズです。
金融機関に事業計画書を提出し「これで採択されたらつなぎ融資を実施しましょう」と口約束でも取り付けられたら心強いもの。
また金融機関が納得した事業計画書なら、ものづくり補助金の審査にも通過しやすいでしょう。
つなぎ融資を受ける可能性が少しでもあるのなら、事前に金融機関へ相談しておきましょう。
ものづくり補助金を受けるなら、多くのケースでつなぎ融資が必要になります。
今回の記事を参考にしてつなぎ融資を獲得し、新事業を成功へと導いてください。
まずは、お気軽にご相談ください