活用事例

旅館やホテルが事業再構築補助金を活用する具体例や採択されるコツ

この記事の監修
吉田雅一

L&Bヨシダ税理士法人 
代表税理士

吉田 雅一 (よしだ まさかず)

新潟でお客様1,000名を支援中。補助金・融資を得意とする。
ビジネスを研究するため、カフェ・ECサイトを運営中。

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コロナ禍による外出自粛が解禁され、大型連休に合わせて新事業を展開しようとお考えの経営者様も多いことでしょう。

そこで活用していただきたいのが事業再構築補助金です。多額の補助金が獲得できるため、大規模な事業展開に最適なのです。

 

今回は、旅館やホテルのような宿泊業が事業再構築補助金の活用例と、事業再構築補助金に採択されるコツをまとめました。

同業他社がどのような施策をしているのか知り、御社の来客増加にお役立てください。

 

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旅館やホテルで利用した場合の事業再構築補助金の具体例

これまでに事業再構築補助金で採択された事例は、事業再構築補助金サイトや経済産業省のサイト等で検索できます。ここではその一例を紹介いたします。

1:団体客向け温泉ホテル旅館が、個人・インバウンド向けビジネスへ転向

露天風呂やグランピング、アクティビティ等に投資し高付加価値の施設・サービスへ移行

2:結婚式場等も備えたビジネス客や観光客向けのホテルが、ワーケーション事業に取り組む

ネット環境や複合機等の設備を備えた宿泊施設を整備

北欧型サウナや貸し切り風呂も設置して差別化を図る

3:老舗料亭兼旅館が、ファミリー層や若い男女を新たなターゲットとし焼肉料理を提供

老舗のため入りにくいという弱みを克服しつつ長年のノウハウやネットワークを活かして焼肉の新ブランド確立を図る

4:インバウンド主体だったホテルが、リモートワークでのビジネスシーンに特化したホテルに転換

客室の改装や整備、広告宣伝を行い概ね好評

地域活性化にも貢献

5:国内労働人口の減少を見据えた外国人の採用代行や管理サービスを立ち上げ

宿泊施設の清掃業務が減少する中で、これまで培った外国人採用ノウハウを活かし新分野に挑戦

6:機械リース業を営む企業がドッグランとグランピングの複合施設を開業

市場縮小と大手レンタル企業の参入により赤字が続く中で大規模な新事業展開を決断

コロナ禍で愛犬を飼う人が増加していること、アウトドア需要の高まりに着目して、天候に左右されずに愛犬と過ごせる宿泊施設を設置

 


 

事業再構築補助金は大規模な事業展開に最適です。

旅館やホテルは改築するとなると多額の費用が必要になりますから、事業再構築補助金が活用できないかぜひ検討してください。

 

なお上記の事例は過去の公募要領に基づいて採択されたものであり、最新の公募要領によっては該当しない可能性もあります。

また上記と類似する事業で申請したとしても、必ず採択されるというわけではありません。あくまでも参考としてご利用ください。

時代に即した事業再構築補助金の活用方法

アフターコロナの今、社会情勢やニーズに即した活用方法をいくつか紹介いたします。

集客を盛り上げられそうでしたら、ぜひ前向きにご検討ください。

ワーケーション事業

観光地やリゾート地におすすめの事業です。

 

ワーケーションとは、休暇を楽しみながら働くスタイルのこと。

たとえば海の見えるホテルでパソコン仕事をし、勤務時間が終了したら泳ぎに行くような働き方です。

 

パソコンやインターネットの普及により、場所を限定せずとも働ける職業が増加してきました。

あまりに急激な変化だったため、ワーケーションが可能なホテルや旅館はそれほど多くありません。

インターネット環境や防音性能の高い壁、さらに差別化できる高機能設備を導入して、働きながら観光する個人客を取り込みます。

飲食施設の変更

飲食に力を入れている宿泊施設におすすめの事業です。

すでにある飲食店を高級志向に変更したり、反対に安価にしたりして客単価増加を狙います。

 

旅館やホテルにはそれぞれ特色がありますが、時代とともに宿泊者のライフスタイルも考え方も変化してくるものです。

現在は物価が上昇しているのに給与が上がらないため、節約・貯金する人が増えています。

そのような流れの中で「ご褒美や贅沢」として高級料理を提供することも1つの方法ですし、「罪悪感なくたくさん注文できる」としてあえて安価な料理を提供することもできるでしょう。

 

宿泊者の属性に合わせて、飲食店も変化させていきましょう。

グランピング事業

海や山が近い宿泊施設におすすめの事業です。

 

グランピングとは、グラマラス(豪華な)と「キャンピング」を掛け合わせた造語です。

意味はもちろん豪華なキャンプ。

通常のキャンプとの大きな違いは、テントの設営や野営等をしなくて良いこと。

キャンプに必要なテントも食材も不要。手ぶらで気軽にキャンプが楽しめると評判の宿泊形態です。

 

キャンプよりも客単価が上がること、差別化が容易なことがおすすめの理由です。

大規模な改築が必要になりますので、まずは敷地の一部をグランピング可能な施設にしてから効果を確かめるのが良いでしょう。

フォトウェディング事業

敷地が広い、または敷地内にフォトスポットがある旅館やホテルにおすすめです。

 

少子化に伴いウェディング産業も縮小傾向なのは間違いありません。また結婚式にお金をかけないカップルも増えてきています。

そんな中で増加しているのがフォトウェディングです。

結婚式場や披露宴会場だけでなく、旅館やホテルの一角で撮影することも少なくないのです。

フォトグラファーや写真館と連携することになるでしょうから、地域活性化にも一役買える可能性もあります。

旅館やホテルが事業再構築補助金に採択されるコツ

事業再構築補助金に申請する場合、どのようなポイントに注意すべきでしょうか?

重要度の高い順に解説いたします。

期日から逆算してスケジュールを組む

最も重要なことは、締め切りに間に合わせることです。

事業内容を詰めることももちろん大切ですが、締め切りを過ぎてしまえば確実に採択されません。

また申請に必要な書類は膨大ですし、事業内容も具体的に根拠ある数値を出すことが求められます。つまり時間がかかるのです。

そのため、早めに公募要領を読み込み、やるべきことに優先順位をつけ、スケジュールを組んでください。

もし間に合わないと判断したら、すぐに専門家に相談しましょう。

採点項目の内容は全て盛り込む

公募要領には「採点項目」が記載されています。

事業計画書には必ず全ての採点項目を盛り込みましょう。

採点項目の記載がなければ、その項目は加点されません。

採択が遠のいてしまいますので、必ず採点項目を記載し、申請前には漏れがないか確認しましょう。

客観的データに基づいて売り上げが上がる理由を説明する

事業計画書で重要なのは「この事業を開始すれば売り上げが上がる」という理由です。

理由を説明するためには客観的なデータが必要不可欠。

調査結果や自社のデータ等を元に、第三者が納得できる理由を解説しましょう。

不採択でも次回で再チャレンジ可能

残念ながら不採択になってしまっても、諦める必要はありません。

事業再構築補助金は何度でも再チャレンジが認められています。

次回までに事業計画書をブラッシュアップして、採択を勝ち取ってください。

まとめ

旅館やホテルによる事業再構築補助金の活用例と、採択されるためのポイントをまとめました。

 

旅行者が増加している現在、旅館やホテルのV字回復が期待されます。

この機会に事業再構築補助金を活用して、さらに集客できる施設にしてみませんか。

 

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