小規模事業者持続化補助金は、店舗改装やレジ購入等、実に様々な経費を補助してくれる非常に使い勝手の良い制度です。
今回はそんな小規模事業者持続化補助金をヘアサロンが利用するにあたってのポイントをまとめました。
小規模事業者持続化補助金の申請を検討されているなら、ぜひ応募前にご一読ください。
不採択を回避し、補助金を余すことなく使いこなす術をご紹介します。
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他業種と同様に、ヘアサロンも小規模事業者持続化補助金が利用できます。
ですがすべてのヘアサロンが対象者となるわけではありません。
まず始めに、御社が小規模事業者持続化補助金が利用できるか、想定している事業内容に利用できるかをご確認ください。
下記すべての条件を満たすヘアサロンが対象者となります。
条件を満たしてさえいれば、法人・個人事業主どちらでも利用可能です。
ここで最も注意したいポイントは「常時使用する従業員数:5人以下」です。
常時使用する従業員とは正社員ではなく、以下に該当しない従業員全員を指します。
たとえば雇用しているパートが正社員と同じ程度働いているなら「常時使用する従業員」に加味されるということです。
もし自社が対象者に該当するか判断しかねる場合は専門家に相談しましょう。
これまでに採択されたヘアサロンの採択事例を一部ご紹介します。
小規模事業者持続化補助金は販路開拓や新規顧客開拓に利用できる補助金制度ですので、幅広い使い方が可能です。
小規模事業者持続化補助金の公式サイトでは、下記以外にも様々な取り組み事例が公開されています。
ぜひ御社の事業計画のブラッシュアップにご活用ください。
小規模事業者持続化補助金は、中小企業や個人事業主の販路拡大や業務効率化を支援する制度です。
そのため販路拡大や業務効率化に関する様々な経費をカバーでき、積極的な利益拡大を目指せます。
2022年現在において通常枠・賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠・インボイス枠の合計6種類があり、それぞれ補助率や補助上限額等が異なります。
申請できるのはいずれか1つの枠に限られます。
追加条件をクリアできれば通常枠よりも補助上限額が高い枠にも申請できますので、ぜひご検討ください。
類型 | 補助率 | 補助上限 | 追加条件 |
通常枠 | 2/3 | 50万円 | – |
賃金引上げ枠 | 2/3(赤字事業者は3/4) | 200万円 | 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上 |
卒業枠 | 2/3 | 200万円 | 常時使用する従業員の数を増やし、小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大する |
後継者支援枠 | 2/3 | 200万円 | 「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者限定 |
創業枠 | 2/3 | 200万円 | 産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から
起算して過去3か年の間に受け、かつ過去3か年の間に開業した事業者 |
インボイス枠 | 2/3 | 100万円 | 2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス(適格請求書)発行事業者の登録が確認できた事業者 |
補助対象となる経費は11項目に分類されます。
使い道の例も掲載しておりますので、参考になさってください。
なお対象経費科目に該当しても、販路開拓や業務効率化に結びつくことを示せなければ補助金は交付されません。
「この経費がなぜ必要なのか」「どのように売り上げアップに貢献するのか」を伝えられるようにしておきましょう。
補助対象経費科目 | 使い道例 |
機械装置等費 | ヘッドスパ機器の導入 |
広報費 | チラシの作成や配布 |
ウェブサイト関連費 | 自社HPを更新 |
展示会等出展費 | 自社ブランド商品の出展費用 |
旅費 | 展示会出席のための交通費 |
開発費 | 自社ブランドのトリートメント開発 |
資料購入費 | 補助事業に関連する資料購入 |
雑役務費 | 臨時アルバイトの雇用 |
借料 | 設備のリース・レンタル料 |
設備処分費 | シャンプー台入れ替えのための処分 |
委託・外注費 | 店舗改装を委託 |
小規模事業者持続化補助金は申請すれば誰もが受け取れるものではありません。
補助金は税金を財源としており、毎年の国家予算から補助金事業に回す金額が決められています。
そのため不採択となり、補助金が受け取れない事業者も数多く存在するのです。
ここでは不採択とならないためのポイントをご紹介します。
小規模事業者持続化補助金は受付スケジュールが決まっています。
申請時の提出書類をまとめていたら、あっという間に時間が経ち「気がつけば締め切り日を過ぎていた」というケースも少なくありません。
事業計画書の作成には想像以上に時間がかかりますので、受付可能な日時を事前にチェックしておき、逆算して準備を進めることをおすすめします。
小規模事業者持続化補助金で見られる最大のポイントは事業計画書です。
優秀な事業計画から順に採択されていくイメージですね。
ですから事業計画書の内容がアバウトですと、採択から遠のいてしまいます。
小規模事業者持続化補助金の審査員はヘアサロン経営者ではありませんので、ヘアサロンに精通していない第三者が読んでも「利益が出ることが理解できる」事業計画書作りが肝心です。
小規模事業者持続化補助金に申請すると、まず「基礎審査」が行われます。
基礎審査を満たしていないものはその時点で失格となりますので、必ず提出前に最終チェックを行いましょう。
<基礎審査>
基礎審査を通過したら事業計画書の審査に移ります。
事業計画は、以下の項目について加点審査を行い、総合的な評価が高いものから採択されます。
ですから計画書作成時には、加点要件を意識して作り込むことが重要です。
<加点審査>
①自社の経営状況分析の妥当性
②経営方針・目標と今後のプランの適切性
③補助事業計画の有効性
④積算の透明・適切性
ヘアサロン(美容室・理容室)が小規模事業者持続化補助金を利用する場合は、対象者に該当するかを確認した上で、締切に間に合うように事業計画書等を作成しましょう。
補助金を活用して、今後さらなる売り上げアップを実現させてくださいね。
まずは、お気軽にご相談ください