利用しやすい補助金

ものづくり補助金とは?補助額から申請方法までわかりやすく解説

この記事の監修
吉田雅一

L&Bヨシダ税理士法人 
代表税理士

吉田 雅一 (よしだ まさかず)

新潟でお客様1,000名を支援中。補助金・融資を得意とする。
ビジネスを研究するため、カフェ・ECサイトを運営中。

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新しい商品やサービスを開発し販売するまでには多額の資金が必要ですよね。

しかし資金力に限りがある中小企業者や小規模事業者は、資金調達が難航して新規事業スタートが遅れることも想定されます。

このような際に資金面で支援してくれるのがものづくり補助金です。

今回は新規事業開始を目指す中小企業の味方・ものづくり補助金についてご紹介します。

 

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ものづくり補助金とは

正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

 

ものづくり補助金とは、新しいサービスや試作品を作ったり、生産プロセスの改善を行ったりする際の資金を補助してくれる制度です。

 

名称からは製造業への補助のように連想してしまいがちですが、実際は幅広い業種の中小企業に対して補助を行っています。

 

概要

ものづくり補助金の4つの施策支援

ものづくり補助金は2022年4月現在「一般型」と「グローバル展開型」が存在します。

なお30社以上が集まってビジネスを展開する場合の「ビジネスモデル構築型」は、本記事では割愛します。

第10次公募の応募締め切りは2022年5月11日17時です。

一般型

中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援します。

また第10次公募より、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」の3つの枠が新設されました。

回復型賃上げ・雇用拡大枠

厳しい状況下においても賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者を支援

デジタル枠

DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する製品・サービスの開発を支援

グリーン枠

温室効果ガスの排出削減に資する製品・サービスの開発または炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供の方法の改善を支援

補助額と補助率

  • 補助金額:100万円~2,000万円
  • 補助率:1/2または2/3以内

従業員規模・枠によって異なります。

補助対象経費

機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

工具や器具の購入に限らず、知的財産権等の導入に要する経費や事業開始のために専門家に支払われる経費等も対象になります。

広範囲の経費をカバーできますので、補助金申請の際は漏れのないようしっかりリストアップしてください。

 

グローバル展開型

中小企業者等が海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援(①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド市場開拓、④海外事業者との共同事業のいずれかに合致するもの)を支援します。

 

補助額と補助率

  • 補助金額:1,000万円~3,000万円
  • 補助率:通常は1/2、小規模企業者・小規模事業者は2/3

 

補助対象経費

機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費

一般型に加えて、海外旅行費用が対象経費となります。
クラウドサービスの利用にかかる経費や特許取得に関わる経費も対象範囲です。

 

日本円以外で支払った場合は、支払日当日の公表仲値で円換算して金額決定されます。

基本的に経費の支払いは銀行振込の実績で確認されますので、クレジットカード払い等を利用する場合は事前に申し出ておきましょう。

 

ものづくり補助金対象者

日本国内に本社と補助事業の実施場所を有する、中小企業者や個人事業主が補助対象者です。
中小企業と見なされる範囲は業種によって異なり、資本金と従業員数の上限がそれぞれ定められています。

 

御社がものづくり補助金の対象範囲にあたるのか事前にチェックしておきましょう。

 

 

<ものづくり補助金対象者(組合等を除く中小企業)>

業種 資本金 従業員数(常勤)
製造業・建設業・運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
ソフトウェア業または情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種(上記以外) 3億円 300人

上記のほか企業組合等の組合関連・特定非営利活動法人(NPO法人)についても、一定の規模であれば、ものづくり補助金の対象者となります。

 

ものづくり補助金の申請方法と流れ

ものづくり補助金の申請はインターネット上での「電子申請」となります。
申請用のアカウントを取得し、書類を揃えて専用サイトにて申請する、という流れです。
作業は単純ですが、アカウント取得や書類作成に膨大な時間がかかることが見込まれます。
従って、少なくとも応募締切の2ヶ月前には準備を始めることを、強くおすすめいたします。

 

GビズIDプライムアカウントの取得

GビズIDとは、さまざまな行政サービスにログインできるサービスのことです。
ものづくり補助金申請は電子申請のみの受付となりますので、GビズIDプライムアカウントの取得が必須です。

アカウントの取得には1週間以上かかりますので、まず最初にGビズIDプライムアカウントの取得作業を行いましょう。

 

なおGビズIDプライムアカウントは、一度取得すれば有効期限もなく半永久的に使い続けられます。

 

準備するもの

  1. スマートフォンもしくは携帯電話
    ワンタイムパスワードをSMSで受信するために必要です。
  2. 印鑑(登録)証明書と登録印
    申請書に押印の後、印鑑(登録)証明書と共に送付します。
    発行日より3カ月以内の原本であることが必須です。

 

GビズIDプライム申請書の作成

  1. GビズIDのトップページから、「gBizIDプライムID作成」をクリックします。
  2. 情報入力画面に移行しますので、正確に記入してください。
  3. 利用規約に同意して「申請書作成」をクリックします。
  4. 内容を確認できるページに移行しますので、最終チェックを行いましょう。

 

ダウンロード

  1. 間違いがなければ「申請書ダウンロード」をクリックしてください。印刷が開始されます。
  2. 作成日:作成日を手書きで記入します。
  3. 実印欄:法人の場合は「印鑑証明書」の代表者印・個人の場合は「印鑑登録証明書」の実印を押印します。
  4. 念のため申請書類のコピーをとっておきましょう。

 

郵送

作成した申請書と印鑑(登録)証明書の原本を封筒に入れて下記まで送付してください。

【送付先】

〒530-8532 GビズID運用センター宛

 

郵便番号と宛名だけで届きます。

記載内容に誤りがあった書類や手書き修正された書類は、受け付け不可となり再申請となります。郵送前に漏れや間違いがないかチェックしてください。

 

申請の受付

  1. 書類に不備がなければ原則2週間以内・2022年4月現在はおよそ1週間で「登録申請の受付のお知らせ」のメールが届きます。
  2. メールに記載されているURLをクリックすると、登録したSMSにワンタイムパスワードが送付されますので携帯電話をご確認ください。
  3. GビズIDサイトのワンタイムパスワード入力画面に入力し、「OK」をクリックすれば登録完了です。

 

ものづくり補助金申請

  1. ものづくり補助金総合サイトから、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金申請の専用サイトを開きます。
  2. 「gBizIDプライム登録申請の承認のお知らせ」メールに記載されているGビズIDプライムアカウントを入力してログインしてください。
  3. 申請TOPページに移行しますので、申請する枠を選択してクリックします。
  4. 「応募者のプロフィール」から順に入力していきます。入力内容は企業情報や経営状況、事業内容、申請内容、経費明細表等です。かなりボリュームがありますので、入力する時間をとり腰を据えて臨みましょう。
  5. 1ページ入力するたびに必ず「登録」をクリックしてください。
  6. 登録内容に応じた提出書類を「提出書類添付」に入力します。
  7. ファイルはすべてPDF形式にしてアップロードすることで「提出」となります。入力開始前にPDF形式でデータ化しておくとスムーズです。必要書類については以下でまとめましたので参考にされてください。
  8. 添付書類まですべての入力が完了したら、申請内容を確認し「最終画面へ」をクリックします。
  9. 制約事項の確認画面に移行しますので「制約事項に同意する」をクリックしたのち「申請」をクリックしてください。
  10. 「受付番号」と書かれたページに移行すれば申請完了です。受付番号は事務局に問い合わせをする際に必要となる番号ですので、メモするかキャプチャを撮影しておきましょう。

 

採択通知

ものづくり補助金事務局での審査を経て採択・不採択が決定されます。
採択発表は応募締切の約2ヶ月後。
採択された事業者はものづくり補助金サイト上で公表されます。

 

交付申請・審査

採択が決まったら、補助金交付申請を行います。

 

前回の申請・採択では「補助金を受け取る権利」が与えられました。
この2度目の申請では「本当にこの事業者のこの事業に補助金を与えて良いのか」が改めて問われることになります。
ですから前回提出した事業計画書について、さらにブラッシュアップしなければなりません。

具体性をもって記載しなければならないので、申請がなかなか通らないケースも数多く見受けられます。

交付申請に通過しなければ補助業務を開始できませんから、申請が通らなければ補助事業のスケジュールが後ろ倒しになってしまいます。

 

申請内容がまとまらない場合は早めに専門家に相談して交付審査を乗り越えましょう。

 

交付決定

申請内容に問題がなければ交付決定となり、交付決定通知書が届きます。

交付決定通知書を受け取った日から正式に補助事業開始となり、補助金の対象となる経費の発注ができることになります。

 

補助事業期間

補助事業実施期間は最大10ヶ月間(グローバル型は最大12ヶ月間)。
交付決定から定められた期限までが補助事業期間となりますので、交付決定が早ければ早いほど事業期間が延びるイメージです。

 

確定検査・交付額の確定

補助事業が終了したら、補助事業実績報告書をサイト上で提出します。
実際に行った取組や経費の支払い状況等を具体的に記してください。
実績報告書の内容に沿って検査が行われ、合格すれば補助金の交付額が確定されます。

 

請求・受け取り

確定した補助金交付額を専用サイト経由で請求すれば、登録しておいた金融機関に補助金が振り込まれます。

 

状況報告

補助事業完了後も5年間は毎年事業化状況の報告を行う義務があります。

 

ものづくり補助金の申請書類と書き方

ものづくり補助金の申請時には膨大な書類が必要です。

ここでは必要書類をまとめてありますので、提出前のチェックリストとしてお使いください。

また作成に苦労する事業計画書の書き方のポイントもお伝えします。

 

必要書類と提出時のファイル名

提出(添付)書類名 一般型
必須
グローバル型
必須
提出(添付)時のファイル名
事業計画書
その1〜3
事業計画書(事業者名)
賃金引上げ計画の表明書【様式1】 賃上げ表明書(事業者名)
決算書等 【法人の場合】
第〇期決算書等(事業者名)
※1期分の決算書類を1ファイルにまとめる【設立後間もないため決算書の提出ができない法人】
設立事業計画書等(事業者名)【個人の場合】
確定申告書等(事業者名)
従業員の確認資料 【法人の場合】
法人事業概況説明書(事業者名)
【個人事業主の場合】
所得税青色申告決算書(事業者名)
所得税白色申告収支内訳書(事業者名)
海外事業の準備状況を示す書類 ①類型:海外子会社等の事業概要等(事業者名)
②類型:海外市場調査報告書(事業者名)
③類型:インバウンド市場調査報告書(事業者名)
④類型:共同研究契約書等(事業者名)
経営革新計画承認書等 経営革新計画(事業者名)
開業届または履歴事項全部証明書 【法人の場合】
履歴事項全部証明書(事業者名)
【個人の場合】
開業届(事業者名)
事業継続力強化計画認定書または
連携事業継続力強化計画認定書
事業継続力強化計画(事業者名)
連携事業継続力強化計画(事業者名)
従業員一覧(労働者名簿) 従業員一覧(事業者名)
応募申請時において再生事業者であることを証明する書類 「再生事業者」に係る誓約書
特定適用事業所該当通知書 特定適用事業所該当通知書(事業者名)
デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況 デジタル技術等取組状況(事業者名)
課税所得の状況を示す確定申告書類 (回復型賃上げ・雇用拡大枠のみ)
【法人の場合】
(1)確定申告書別表一(一)の控え(事業者名)
(2)確定申告書別表四の控え(事業者名)
(3)受信通知(事業者名)
※ e-TAX で申告している場合のみ
【個人事業主の場合】
(1)確定申告書第一表の控え(事業者名)
※ 収受日付印が押印(受付日時の印字)されて
いることが必要です。
(2)受信通知(事業者名)
※ e-TAX で申告している場合のみ
炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況 (グリーン枠のみ)
炭素生産性向上等の取組(事業者名)

○は各申請に必須の提出書類を示します。
一般型申請に必須の書類は合計4点、グローバル型申請に必須の書類は合計5点です。
○がついていない書類は加点のために必要な書類です。

 

事業計画書の書き方

書類の中でも苦労する人が多い事業計画書の書き方をご説明します。

 

なお事業計画書は電子申請システム上で入力しますので、用紙に記入しPDF化して添付することはできません。

 

しかし調べながら入力するのは非効率的ですから、ものづくり補助金総合サイトのリンクから「参考様式 事業計画書」をダウンロードし、内容を埋めてからインターネット上に入力しましょう。

 

大まかな記載内容と書き方

  • 応募者の概要
    法人番号や名称、直近2期ぶんの売上実績等を記載します。
    決算書と履歴事項全部証明書の内容を参考に記入しましょう。
  • 事業内容
    事業計画の概要や具体的な取組内容、事業計画を記載します。
    将来の利益額やその根拠を明示して、説得力のある内容に仕上げましょう。
  • 経費明細表
    機械装置や専門家経費等、事業に要する経費と補助金を受ける経費についてまとめます。
    具体的な数値とその根拠が必要ですので、税理士や経理担当者と協力して書き上げてください。
  • 資金調達内訳
    事業に対する資金の調達先を記載します。
    自己資金と補助金だけでなく、借入金等も記入してください。

 

審査項目

審査の通過には、審査項目を意識した書類作りが欠かせません。
項目内容を念頭に置いてから書類作成に取り掛かりましょう。

  • 補助対象事業としての適格性
    対象事業の要件を満たし、3〜5年計画で付加価値額平均3%以上を達成できるか
  • 技術面
    革新的な開発か・技術的能力が備わっているか等
  • 事業化面
    社内外の体制から、補助事業を適切に遂行できるか等
  • 政策面
    経済的波及効果が期待できるか・ポストコロナに向けた有効な投資内容となっているか(低感染リスク型ビジネス枠のみ)等
  • 加点項目
    有効な期間の経営革新計画の承認を取得・パートナーシップ構築宣言を行っている・有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得している等
  • 減点項目
    過去3年間に、類似の補助金の交付決定を1回受けている

 

内容がうまくまとめられないときは

提出資料はそれほど多くないように感じますが、実際記載する内容は非常に膨大で具体性を求められます。

 

根拠となる数字が出せない・売上目標の算出方法は?
といったことでお困りの場合には、税理士等の専門家にご相談ください。

 

まとめ

ものづくり補助金は、新しい商品やサービスを展開しようとする中小企業者の大きな味方です。

 

この記事を参考に補助金を申請し、ぜひ新たなステージへと挑戦なさってください。

 

 

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