小規模事業者持続化補助金に申請するには膨大な書類を用意しなくてはならず、大変な作業となります。そのため申請後の手順まで事前に調べていることは少ないのではないでしょうか。
けれども採択が確定した後にやるべきことを知らなければ、最悪の場合いつまでも補助金が振り込まれないという事態も考えられます。
そこで今回は、小規模事業者持続化補助金が採択された後の流れをまとめてご紹介します。この記事でやるべきことやそのタイミングを理解し、スムーズな補助金受け取りにお役立てください。
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小規模事業者持続化補助金をわかりやすく解説!補助額や対象者・申請の仕方まで
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小規模事業者持続化補助金の採択が決定してから補助金を受け取るまでには、該当の事業を実施してその結果を書類にまとめて提出しなければなりません。
具体的に「いつ」「何を」行うのか確認しましょう。
申請受付締切から1.5ヶ月程度で採択者が発表されます。
採択者一覧が小規模事業者持続化補助金のサイト上で公表されますので確認しましょう。
公表される内容は「都道府県」「申請者名」「法人番号」「補助事業名」の4つです。
共同申請の場合は代表事業者のみ掲載されます。
なお公表後には申請者全員に、審査結果がJグランツからメールで通知されます。
Jグランツとは国や自治体の補助金申請に利用できる電子申請システムです。
デジタル庁が運営しており、補助金への応募から採択後の手続きまで完結できます。
交付決定通知書を受け取った後にようやく補助事業が開始できます。
交付決定通知書は通常、採択決定後1週間以内に送付されますのでお待ちください。
ただし申請内容に関する確認や修正依頼などがある際には、補助金事務局から連絡が入ります。
連絡内容をよく確認し、申請内容を修正しましょう。
修正と再提出をした後、補助金事務局で再度内容の審査が行われます。
修正と再提出の連絡が来た場合には、採択決定後であっても修正作業をしなければ補助事業が開始できませんのでご注意ください。
なお、交付決定通知を受け取る前の経費については補助対象となりません。
詳細は申請された小規模事業者持続化補助金の公募要領でご確認ください。
小規模事業者持続化補助金の対象となる補助事業を実施します。
補助事業の内容を変更したい場合は、事業開始前に「変更承認申請書」を提出し許可をもらいましょう。
補助事業実施期間と補助事業実績報告書提出期限を確認のうえ、事業を開始してください。
期間中は手引きを確認しながらこまめに経理処理と請求書などの整理を行いましょう。
経理処理に不備があると補助金対象外とみなされてしまいますし、報告期限を過ぎてしまうと補助金は受け取れません。
ですから、可能な限り補助事業と並行で実績報告書をまとめるようにしてください。
なお補助事業に係る帳簿や支出の根拠となる証拠書類については、補助事業完了後は、当該年度の終了後5年間の保存が義務付けられています。
補助事業が終了したら、定められた期日までに実績報告書などをまとめて提出します。
期日までに実績報告書などを提出しないと、小規模事業者持続化補助金の交付決定を受けていても補助金は受け取れませんのでご注意ください。
実績報告書などを元に、小規模事業者持続化補助金の事務局で証憑を確認されます。
内容に不備があった場合は電話や郵送などで連絡が入ります。
提出物が揃っており申請内容が全て補助対象経費として適正であることの確認が終わると、補助金額が計算され確定通知書で通知されます。
確定通知書の発送は実績報告書の提出から約1ヶ月後となることが多いようです。
補助金額が確定した後、精算払請求書を提出します。
請求金額や振込先金融機関名、預金名義などを記入して補助金事務局まで郵送してください。
なお低感染リスク型などをJグランツにて電子申請された場合には、マイページ上から精算払請求が行えます。
精算払請求が受理されると後日、指定の口座に小規模事業者持続化補助金が振り込まれます。
実際に入金される時期は精算払請求から約2ヶ月後となるようです。
現在、非常に多くの事業者が小規模事業者持続化補助金の申請を行なっている関係で、入金までさらに時間を要するケースも見受けられます。
早めに書類を作成・提出し、1日も早く補助金を受け取れるよう準備しましょう。
小規模事業者持続化補助金を受け取るまでの手続きは非常に煩雑です。
ですからうっかりミスをしないように、特に下記のポイントにご注意ください。
補助事業終了後5年間は、補助金交付にかかる証拠書類を保存しなければなりません。
会計検査院による検査が行われる可能性もありますので、必ず保存しておきましょう。
もし会計検査で不備が見つかった場合は、補助金の返還などを命じられる場合があります。
小切手や手形、相殺による支払いは補助金対象として認められませんのでご注意ください。
原則として、経費は銀行振り込みで支払うこととされています。
クレジットカードで支払った場合には、宛名が法人名の領収書とクレジット払い控え、カード利用代金明細書、クレジットカードの引き落としが分かる通帳の該当部分が必要です。
リボ払いや分割払いで補助事業期間中に完済しない取引については、補助対象となりません。
現金での経費支払いにおいても、原則として1取引10万円(税抜き)を超える支払いは認められていません。
確実に補助金を受け取るには、経費支払いを銀行振り込みに一本化することが得策です。
補助事業終了後に実績報告を行いますが、この作業に案外時間がかかります。
実績報告に必要な書類は以下のとおりです。
このうち「支出を証明する書類」には見積書や発注書、請求書、納品書などが必要です。
またそれぞれの書類は、1つずつ定められたフォーマットに入力しなければなりません。
1項目ずつ領収書を見ながら費目、支出金額、発注日、支払日などを入力していくのは骨が折れる作業になるでしょう。
「事業の報告をまとめるだけだから」と後回しにしていると、期日までに報告書作成が間に合わなくなる可能性も出てきます。
実績報告書は補助金額を左右する大変重要な書類です。
だからこそ作成には余裕をもって取り掛かってください。
補助金を利用してECサイトの作成やテイクアウトメニューの開発などを行なった場合は「収益納付」に該当するため、実績報告書には「収益納付に係る報告書」の添付が必要です。
また1件あたり50万円(税抜き)以上支払ってWEBサイトを立ち上げたり新メニュー用の機材を購入したりなどした場合には、「処分制限財産」に該当するため「取得財産等管理明細表」の添付が必要になります。
そのほかクレジットカードの利用明細を添付していなかったり、相見積の書類がなかったりすると、そのぶんにかかる経費が補助金から除外されてしまいます。
必要書類がきちんと揃っているか、提出前に確認しましょう。
スムーズに申請・採択・実績報告などを行なっても、実際に補助金が入金されるまでかなりのタイムラグが発生します。
小規模事業者持続化補助金は、補助金受け取り前に購入した物品やサービスに対して支払われるものです。
ですから一時的に自社で全額負担することが大前提。
補助金の入金が遅れるとそれだけ自社の資金繰りに影響してしまいますから、できる限り早く申請できるように書類作成を専門家に依頼するなどして対策を取っておいてください。
小規模事業者持続化補助金が採択された後も、やるべきことを失念してしまうと補助金は受け取れなくなってしまいます。
この記事でご紹介した流れに沿って、採択後の補助事業展開や実績報告書の提出などを忘れずに行なってください。
なお実績報告書に不備が見つかると、修正するだけ時間を浪費してしまうので、結果として補助金振り込みが遅れてしまいます。
最悪の場合では資金繰りを悪化させてしまう恐れもありますから、できるだけ早めに取り掛かるか専門家に代行を依頼し、早く正確に申請することが大切です。
小規模事業者持続化補助金をわかりやすく解説!補助額や対象者・申請の仕方まで
小規模事業持続化補助金を受けるには商工会議所に入会しないといけない?
まずは、お気軽にご相談ください