小規模事業者持続化補助金は中小企業の資金調達の中でも要となる魅力的な補助金です。ですが魅力的ゆえに競争率も激しいのが現実。
では小規模事業者持続化補助金の獲得のために、どこに注力すべきなのでしょうか?
最も重要なポイントこそ経営計画書です。
今回は小規模事業者持続化補助金の採択率を左右する、経営計画書の書き方についてご説明します。
補助金獲得のために、この記事内容をぜひお読みください。
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小規模事業者持続化補助金の申請には多くの書類を提出しますが、中でも肝心なのは経営計画書です。
経営計画書には企業概要や市場動向のような、会社の方向性を言語化して記載しなければならず、多くの経営者にはなかなかの鬼門となっているようです。
しかし逆に言えば、経営計画書を素晴らしい内容に仕上げられれば、採択率が上がるということでもあります。
経営計画書の書き方のポイントを押さえて、審査者をうならせる内容に書き上げましょう。
経営計画書の書き方自体は、経済産業省の小規模事業者持続化補助金のページでも軽く説明されています。
ですがこのとおりに書けば採択されるというものでもありません。
なぜなら小規模事業者持続化補助金に申請するほとんどすべての事業者が読んでおり、経営計画書に反映させているからです。
一歩抜きん出るためには、さらに一歩前に進まなければなりません。
令和元年・3年度補正予算小規模事業者持続化補助金の公募要領によると、申請書類の内容を元に評価の高い案件から順に採択されるようです。
なお具体的な審査基準は非公開とされていますが、下記のようなポイントは公開されています。
<審査のポイント>
提出書類に不備があればその時点で失格となり、審査対象から外されてしまいます。ですから最終チェックをする際には必ず書類漏れや誤字脱字がないか確認しましょう。
内容に関しては、自社の内情をきちんと把握し強みを生かした経営戦略を練っているかが見られるようです。
なお審査者は外部有識者等ですので、経済産業省や商工会議所に上記以外の審査基準を聞いても答えてはもらえないでしょう。
経営計画書の書き方の基礎として、経済産業省が公表しているポイントをしっかり押さえましょう。
この部分がきちんとできていないと、他社の経営計画書に見劣りしてしまいます。
他社と同じスタートラインに立つためにしっかり確認してください。
各項目についてポイントや要点を押さえて簡潔に書きましょう。
おすすめは、記載する内容を「単語」で表現し、その単語に修飾語を増やしていく方法です。
たとえば自社の強みが商品の優位性であれば「高品質」とし、その周囲に修飾語を散らして「どこにも真似できない高品質かつ低価格な商品」とする書き方です。
普通の文章で表現しても構わないとされていますが、箇条書きを利用した方が書きやすかったり見た目が良くなったりします。適宜、箇条書きを取り入れて読みやすい書類にまとめましょう。
「お客様からは製品が使いやすい・長持ちする・軽くて負担にならないなどのお言葉を頂戴しております。」
↓ ↓ ↓ <お客様からのお言葉(一例)>
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経営計画書には文字量の制限がありません。
まずは文字数にこだわらず項目に沿って内容を洗い出し、その後、不要な箇所を削ぎ落としてまとめるのが効率的です。
なお文章量に制限はありませんが「経営計画及び補助事業計画は最大8枚程度まで」とされています。
多すぎるのも問題ですが、少なすぎるとやる気がないと捉えられかねませんから、できる限り最大枚数の8枚まで書くようにしてください。
なお写真や表を挿入することも可能です。
写真などを効果的に使って伝わりやすい内容に仕上げることも重要なポイントなのです。
小規模事業者持続化補助金は商工会や商工会議所からのアドバイスを受けられる制度が備わっています。
申請自体も商工会議所又は商工会に行うものですから、アドバイスを受けておいて損はありません。
一度書き上がったら、管轄の商工会議所・商工会で相談してみましょう。
なお商工会議所や商工会の会員以外でもアドバイスは受けられます。
ぜひ活用してください。
公表されている書き方のポイントを押さえたら、次はさらに踏み込んだ書き方に移りましょう。
小規模事業者持続化補助金の申請に関する審査は外部有識者等と明記されています。
つまり「御社の業種や市場について良く知る人物ではない」ということです。
同業ではない人に対して、分かりやすく理解しやすく伝えることを意識して記入しましょう。
審査者がイメージできない場合は、小学校や中学校の職業体験を想像してみてください。
事業内容をまったく知らない子どもたちでも理解できるくらいまで噛み砕いた表現を用いましょう。
当然ですが趣旨にそぐわない事業では、どれだけ素晴らしい内容であっても採択されません。
小規模事業者持続化補助金は「小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度」と位置付けられています。
すなわち販路拡大や生産性向上に結びつく事業に対して補助される制度だということです。
赤字の補填や経費削減のために申請しても採択されることはありません。
「補助金で何を買いたいか」よりも「補助金で何を成し得たいか」が重要なのです。
小規模事業者持続化補助金は国の財源、つまり税金を投入した補助金です。
補助金を活用して販路を拡大し売上を上げて欲しいという想いが込められていますので、経営計画書では「実現可能性」が非常に重要です。
たとえば「売上が上がります」よりも「10%の利益向上が見込めます」の方が具体性があり、より真実味が増しますよね。
具体的な数値に落とし込むことで、よりリアルな経営計画書に仕上げられるのです。
<数値を用いた例>
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これまで採択率を上げる書き方をご紹介してきましたが、ここでは逆に採択率を下げかねない悪い例をご紹介します。
ぜひ反面教師にご利用ください。
小規模事業者持続化補助金は「とりあえず申請すればもらえる」というものではありません。
補助金の財源は税金ですから、補助した事業者にはさらに売上を拡大してもらいたいのが本音です。
ですから事業計画をしっかり作り込み、補助金採択にふさわしい企業であることを示さなくてはいけません。
事業内容や計画が薄いと、書類が揃っていても審査段階ですぐに落とされてしまいます。
小規模事業者持続化補助金に申請すると決めたら、じっくり向き合って取り組むことをおすすめします。
たとえば「補助金採択で年間売上500%アップ」というのは実現可能性に乏しいと言えるのではないでしょうか。
しっかりした裏付けと根拠があれば審査対象になるでしょうが、採択されたいがために的外れな目標を掲げても、それはそれで採択にはいたりません。
「補助金採択で利益(売上)○%アップの予定。その理由は…」と、誰もが納得できる計画を記載してください。
小規模事業者持続化補助金の経営計画書作成は誰もがつまずく部分ではありますが、ポイントを押さえてまとめあげれば補助金採択への近道になります。
ぜひ今回ご紹介したポイントを踏まえて、補助金獲得に向けた書類作成を進めてください。
それでも「まとまらない」「書ききれない」などのお困りごとがあれば、お気軽にL&Bヨシダ税理士法人までご相談ください。
誠心誠意対応いたします。
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