活用事例

ものづくり補助金は飲食店でも申請できる?申請の仕方から採択のポイントまで解説

この記事の監修
吉田雅一

L&Bヨシダ税理士法人 
代表税理士

吉田 雅一 (よしだ まさかず)

新潟でお客様1,000名を支援中。補助金・融資を得意とする。
ビジネスを研究するため、カフェ・ECサイトを運営中。

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ものづくり補助金には飲食店であっても申請できます。しかしすべての飲食店が申請できるというわけではありません。

今回はものづくり補助金に申請できる飲食店の範囲や対象経費、申請の流れ等をまとめました。
採択率アップのヒントもちりばめていますので、ぜひ最後までお読みください。

 

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ものづくり補助金に申請できる飲食店とは

すべての飲食店がものづくり補助金に申請できるわけではありません。

自社が申請対象者に入っているか確認した上で、申請要件を満たせるか検討してください。

申請対象者

飲食店における申請対象者の範囲は以下のとおりです。

店内での飲食サービスを提供する飲食店 資本金:5,000万円以下

常勤従業員数:100人以下

テイクアウト主体の飲食店 資本金:5,000万円以下

常勤従業員数:50人以下

 

ものづくり補助金における「常勤従業員」とは、中小企業基本法上の「常時使用する従業員」をいい、日雇い労働者、2か月以内の短期間労働者、季節的業務に 4 か月以内の期間を定めて使用される労働者、使用期間中の労働者は含まれません。

つまり上記以外のすべての労働者が「常勤従業員」としてカウントされます。

正社員だけでなく、長期的なアルバイトやパートも含まれますのでご注意ください。

3つの申請要件

申請対象者だと判明したら、次は申請要件を確認しましょう。

ものづくり補助金に申請するために必ず満たさなければならない要件は以下の3点です。

付加価値額の向上

ものづくり補助金に申請するためには「事業計画書」を策定して提出しなければなりません。

この事業計画期間において、事業全体の付加価値額を年率平均3%以上増加させることが求められます。

給与支払総額の増加

給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させます。

従業員全員の給与を平均的に増額する必要はありません。

あくまでも給与支払い総額を1.5%以上増加させれば良いので、資格手当や夜勤手当等を増額するといった方法でもOKです。

事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上

事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準にします。

地域別最低賃金は厚生労働省から毎年発表されていますので、最新情報をチェックして具体的な金額を割り出しましょう。

正社員等で時給の設定がない社員に関しては、労働時間で割り戻して時給を計算します。

 

なお新潟県内における2023年2月現在の最低賃金は、時給890円です。

ものづくり補助金の対象となる経費

採択されたとしても、事業に関するあらゆる経費がものづくり補助金の対象になるわけではありません。

対象となる経費と対象外の経費を知っておき、自社で利用した場合にどのくらい恩恵を教授できるか検討してください。

ものづくり補助金の主な対象経費

設備投資

専用ガスコンロやピザ窯等、機械設備の経費は補助対象です。

単価50万円以上の設備投資は必須とされています。

ものづくり補助金は設備投資への補助を主体とする補助事業ですので、設備投資がなければ補助金が受け取れません。ご注意ください。

原材料費

販売にかかった経費だけでなく、試作品開発のための原材料費も補助金の対象です。

ただし、試作品開発のための原材料は、補助事業終了までに使い切ることが原則とされています。事業終了後に残った原材料費に関しては、補助対象となりません。

外注費

新商品の写真撮影やロゴのデザイン、メニュー表作成等を外注した時の経費も補助金の対象です。

外注先との「書面による契約の締結」が必要ですので、仕事を依頼する前に、契約書を交わしておきましょう。

ものづくり補助金の主な対象外の経費

不動産や車両

新しく店舗を構えるための不動産取得費や、出前用のバイクの購入費用等は補助対象外です。

修理費や車検費用も対象外ですので、ご注意ください。

汎用性のあるもの

パソコン・プリンタ・文書作成ソフトウェア・タブレット端末・スマートフォン及びデジタル複合機のように、汎用性のあるもの(事業以外でも使用できるもの)は補助対象外です。

 

ただし、補助事業でのみ使用するものは経費の対象として認められます。

たとえば、お客様のスマホから注文できるアプリやその注文を管理するためのシステム等を導入する場合、店内でのみ利用できるものであれば高確率で補助金の対象とみなされます。

事業実施期間外に購入したもの

ものづくり補助金の対象経費は、補助事業を実施している期間中に購入した物品やサービスに限られます。

仮にものづくり補助金に採択された後、事業実施前に物品を購入してしまうと、その経費は補助金の対象外になってしまいます。

なお経費の支払い実績は銀行振込で確認されるので、原則としてクレジットカードや現金払いはできません。

ものづくり補助金に申請する流れ

ものづくり補助金に申請すると決断されてから、実際に申請するまでの流れをまとめました。

申請には膨大な資料を揃える必要がありますので、1ヶ月程度の時間を見越しておくことをおすすめします。

GビズIDアカウント作成

GビズIDアカウントは、ものづくり補助金の申請に必要です。

アカウント作成には審査を挟むので、発行まで1週間ほどかかります。審査通過できなければさらに日数がかかりますので、早めに取り掛かりましょう。

なおものづくり補助金申請時に必要なのは「GビズIDプライムアカウント」です。お間違えにならないようご注意ください。

 

GビズIDアカウントの作成はこちら

事業計画書作成

審査の要となる事業計画書を作成します。

記載方法は自由ですが、記載項目は定められています。最新の公募要領に従って、記入しましょう。

事業計画書の作成が進まない場合は、早めに専門家に相談を。

書類のアップロード

作成しておいたGビズIDプライムアカウントを利用して、Jグランツというサイト上で申請します。

事業計画書だけでなく、添付資料ももれなくアップロードしましょう。

資料が1部でも漏れていると、その時点で不採択になってしまいます。

飲食店がものづくり補助金の採択率を上げるコツ

ものづくり補助金の採択率は40〜60%。

誰もが受け取れる補助金ではありませんので、下記の方法で採択率を上げましょう。

公募要領を読み込み徹底的に見直す

公募要領は少しずつ更新されていますので、最新の公募要領を読み込んで、不備がないか徹底的に見直しましょう。

捺印漏れやサインミスでも不採択になりますので、納得できるまで見直しを実施してください。

加点項目を満たす

加点項目を満たすと、ものづくり補助金の採択時に有利になります。

ものづくり補助金総合サイトによると、加点項目が0個の採択率は29.3%。

それに対して加点項目が2個だと採択率は65.6%。加点項目が5個以上で80.0%だそうです。

可能な限り加点項目を満たして、採択率を大幅アップさせましょう。

ものづくり補助金の飲食店採択事例

ものづくり補助金に採択された事例を一部紹介いたします。

ものづくり補助金総合サイトでは過去に採択された成果事例が検索できますので、ぜひ申請前に一度ご覧ください。

 

  • 酒蔵に隣接した築93年の古民家でのスイーツ等の製造、販売、飲食提供
  • サードウェーブコーヒー焙煎機導入による新たな事業展開
  • 地元産米粉を使用したアレルギー対策食品の試作開発
  • 日本初、ギフトにも使えるおいしい備蓄保存クッキーの試作開発販売
  • はちみつ専門店が作る究極のソフトクリーム製造設備の導入

 

まとめ

ものづくり補助金は飲食店でも申請可能です。

ただし対象者や要件が定められていますので、自社が申請可能かどうか上記の内容を元に見極めてください。

 

本業を続けながら事業計画書をまとめあげるのは骨の折れる作業ですので、もし間に合わないと感じたら、早めに専門家に相談しましょう。

 

 

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